C/N応答制御に関わる脱ユビキチン化酵素を発見 BBRC誌へ発表

脱ユビキチン化酵素UBP12/13が,植物のC/N栄養ストレス応答制御に関与することを発見し,論文を発表しました。

UBP12/13の二重ノックダウン株では,高C/低Nストレスに敏感になっており,野生型に比べて著しい生育阻害を示すことが分かりました。
さらに,UBP12/13は,これまで当研究室でC/N栄養ストレス応答に関わるユビキチンリガーゼとして単離していたATL31と直接相互作用すること,ATL31が形成するユビキチン鎖を切断する活性を有することを見出しています。遺伝学的な解析からも,UBP12/13は,ATL31を介してC/N栄養ストレス応答制御に関わることが示唆されました。

ユビキチン修飾を付与するユビキチンリガーゼとそれを除去する脱ユビキチン化酵素が複合体を形成することで,どのような働きを行うかについてはまだ多くの謎があります。今後,ATL31-UBP12/13複合体機能の詳細が分かることで,植物の栄養ストレス応答制御の新たな仕組みが明らかになることが期待されます。

Deubiquitinating enzymes UBP12 and UBP13 regulate carbon/nitrogen-nutrient stress responses by interacting with the membrane-localized ubiquitin ligase ATL31 in Arabidopsis

Biochemical and Biophysical Research Communications, 2022, 636: 55-61 (doi: 10.1016/j.bbrc.2022.10.089)

Yongming Luo,Shigetaka Yasuda, Junpei Takagi, Yoko Hasegawa, Yukako Chiba, Junji Yamaguchi, Takeo Sato